☆ロシアのいろいろな発酵乳 〜 おなかとお肌のために 〜☆
日本に比べ乳製品の種類が豊富なロシア。今回は日本ではあまり見かけることのない酸乳、発酵乳をご紹介します。
кефир(ケフィール)
北カフカースが発祥の地。
この地方で“天からの恵み”とも呼ばれるケフィールの製造法は、はじめ極秘にされていました。
1867年にはじめてロシアの医学雑誌に医療・食事療法用の飲み物として紹介され、1907年にモスクワで生産が開始されました。今ではロシアでは最も需要の多い酸乳となりました。
乳酸カルシウム、ビタミンA、B1、B2、B6、B12、葉酸を含むケフィールは、美肌効果はもちろん、貧血時の活力回復や消化器系の疾患に効きます。
ряженка(リャージェンカ)95℃で殺菌した牛乳を2〜3時間 同じく95℃の状態でねかせてできる酸乳。クリーム色で香ばしい。
топлёное молоко(タプリョノエ・マラコー)
32℃〜36℃の低温で発酵させた牛乳。
クリーム色でリャージェンカに比べさらさらしている。酸っぱさはない。
варенец(ヴァレネッツ)
一度煮たてた牛乳を発酵させてできる酸乳。
以上の三つは、それぞれ消化がよく、また消化を助ける働きがあります。さらに、腸内の腐敗菌の繁殖を抑制します。
これらは街の各食料品店で買うことができますが、酸乳・発酵乳は鮮度が命。流通のよい店を選び、できれば製造日をチェックして買いたいものです。
参考資料:「おいしい健康食の本」(食品工業出版、1977、モスクワ)
(金子佳美)
☆チェブラーシカ(чебурашка)談議☆
昨夏日本で公開されて人気が沸騰した話題のアニメ「チェブラーシカ」。語源は、起き上がりこぼし?!
「ハバロフスクにはどんなチェブラーシカがいるのかなぁ。」
「ムラヴィヨーフ=アムールスキイ通り5のレストラン・ルーシの角のおもちゃ屋さんにワニのゲーナの肩にのったチェブラーシカ、それから、両手に入るくらいのチェブラーシカのぬいぐるみが売ってたけど、今は品切れみたい。どちらもロストーフ=ナ=ドヌー製。」
「その店には、今、アルターイ地方の村の工場で作られたソフトプラッチック製のチェブラーシカがありますよ。色は、レモンとオレンジ。1個、23ルーブリ。」
「教育大の向かいのドーム・アヂェージドゥィとか中国市場には、お腹を押すと笑い出す中国製のぬいぐるみが売られていたんだって。」
「友人宅には古い絵葉書、積み木なんかがありました。」
「ずっと探していたヴィデオ、工科大のそばでやっと見つけたんです。」
「ムラヴィヨーフ=アムールスキイ通りのカフェ・ほたる(スヴェトリャチョーク/светлячок
)の並びのミュージックショップ(музыкальный магазин)とセールィシェフ通り74の音楽専門店・メローヂヤ(мелодия)にはヴィデオやCDが入荷するらしいよ。メローヂヤにはカセットテープが30ルーブリで売っていたっけ。」
「お菓子もあるらしいと聞いて、探してみたら、中央郵便局右脇地下の製菓工場・スプートニクの直営店に飴玉(チェブラーシカ/чебурашка)が売ってました。たしか1キロ25ルーブリくらい。」
「ちなみにインターネットは、日本のサイトがwww.cheb.tv、ロシヤのがchebur.org.ru だとか。」
「書店・ズナーニエ(знание)には、豆本、絵本、飛び出す絵本がありましたよ。」
「あのう、まさかとは思いますが、チェブラーシカとユダヤ人問題についてのシリアスな研究書なんてないでしょうか。あったら読みたいっていう知り合いがいるんですけど・・・ 」
(チェブラーシカ情報をお寄せください。編集係)
☆甘党の皆さんに、おいしい甘いもの情報です☆
日頃ふと口にし、「これは美味!!」と目が輝いた甘いものを5品掲載しました。
печенье <クッキー>『 орешек(アレーシェク)』
まるで大福もちのようなボリュームの、まっ白で真ん中のクッキーの中に、あっさりした茶色のコンデンスミルクが入っています。外のクッキーはナッツの香りで「ほろほろ」した食感。ついつい手が伸びるおいしさです!
量り売り1キロ44ルーブルほど。中央郵便局のバス停の真後ろのお店、「чародей(チャラデーイ)」や、コムソモーリスカヤ広場近くの「светлый(スベートリー)」などで販売。
毎日あるとは限りませんが、入荷次第店頭に並んでいるようです。
слойка <デニッシュ>『слойка детская (スロイカ ジェッツカヤ)』
柔らかくフワフワのデニッシュで、甘さもしつこくなく、朝食にぴったりです。軽く焼き、蜂蜜やジャムを塗って食べると絶品!
1つ3,5ルーブル。上記「чародей」左横のお店、「хлебь(フレービ)」のパンコーナーにあります。この他、同通りの「лотос(ロータス)」や教育大近くの「777」などでも販売。
печенье <クッキー>『каштановые орехи(カシターナビエ アレーヒ)』
食べた瞬間に、「これはロシア版人形焼きでは?!」と思ってしまいました。名前の通り、栗の形の人形焼に似たカステラ風クッキーの中に、ジャム、またはコンデンスミルクが入っています。ロシヤ人にも、「これどこで買ったの?」と聞かれるほど評判がよかったです。
各1パック21,6ルーブル。「светлый」、 「народная кампания(食料品店ナロードナヤカンパーニア)」などで販売。
チーズ菓子『сырок
(スィロック)』小さな長方形型の、甘酸っぱいチーズにチョコレートがコーティングされたもので、バナナ味、ナッツ味、ベリー味、ココナッツ味と種類も豊富。キュンとするような味です。
1つ6ルーブルほど。色々な食料品店の乳製品コーナーにあります。
мёд <蜂蜜>『мёд с орехами (ミョード ス アレーハミ)』
ナッツ入りの蜂蜜です。クルミ、松の実、マカデミアンナッツの3種類がありますが、私のお勧めはгрецкий орех<クルミ>入り、44ルーブルです。ほろ苦い大きなクルミがごろごろ入っていて、ハチミツの甘さとピッタリ合っています。その他、ドライフルーツ入りもあります。ムラビヨーバ アムールスカバ通りのお店「григовский (グリーゴフスキー)」や「中央食料品店」などで販売しています。
(山下順子)
☆童話のひきだし☆
チェブラーシカとヘビの子ども
あるとき、チェブラーシカが森をあるいていると、地面のコケのはえた谷地ぼうずのうえに卵があります。チェブラーシカは、それがよくかみつくヘビの卵だとはしりませんでした。
チェブラーシカは、卵をひろうと、木にのぼって、それをうろのなかにいれました。
ところが、そこには、ひながかえるのをまっていたスズメフクロウの巣がありました。
さあ、ひなたちがかえりはじめ、ヘビの子どももかえりました。
一ぴきのテンが、ひなたちをたべようとしています。テンが足をうろにつっこむと、ヘビの子どもは、すかさずテンの爪をかみます。
テンがヘビの子どももろとも足をぬくと、ヘビの子どもは、そのままコケのうえのおかあさんヘビのところにおちました。
ヘビの子どもとスズメフクロウのひなたちの両方のおかあさんは、ながいこと、チェブラーシカに、ありがとうございました、といいました。 (岡田和也訳)
(エドゥアールト・ウスペーンスキイ著「チェブラーシカのお呼ばれに」より、出版社・アストゥレーリ、2001、モスクヴァ州)
☆森のめぐみ 〜 ノバラ(シポーヴニク/шиповник) 〜☆
去年の9月に中央市場で買って平らに広げておいたノバラの実がいつのまにかからからにかわいていました。冬の今、ヴィタミンたっぷりというこの実をときどき煎じてのんでいます。分量、煎じる時間、のむ量や回数などは適当に、のみたいときにのんでいますが、ある本にはこんなふうにありました。
ノバラの煎じ汁は、身体に好い作用を及ぼし、病気や外部媒体のさまざまな有害な作用に対する身体の抵抗力を高めます。アテローム性動脈硬化、身体の衰弱、貧血、風邪によく効きます。つくり方:乾燥した実100グラムに1リットルの水を加え、ふたをして5〜7分沸騰させ、そのまま2〜3時間おいてできあがり。1日2〜3回コップに半杯づつのみます。(「本草書」ハバロフスク図書出版所、1991)
(2煎目もいけますよ。岡田和也)
☆民話のしずく 〜 エヴェーン人の民話 〜☆
「この冬はぜんぜん釣れないよ。アムールの水位が低くてさ、魚はみんな下流にいっちまった。」放送局の守衛さんが一服しながらそんなことを話していました。
どうしてフナは泥土のなかにかくれているの
あるとき、フリチャン=キツネが、タイガー(密林)の湖の岸を走っていました。すると、ふいに、水のなかにフナをみかけました。それは、岸のそばでいなづまのようにぴかりとひかり、ふかみにすがたをけしました。
キツネは、水ぎわに腰をおろし、ざんねんがっていました。あんなごちそうが、すぐそばにあったのに!
クマが、ちかくをあるいていて、たずねます。
「ねえさん、なんだって、あんたは、水をじっとみつめているんだい?」
「ああ、アカ=きょうだい、とっても肥えたフナが、たったいま、水のなかでとびはねていたんだよ」とキツネは、こたえます。
「肥えたやつだって? そりゃいいや、まったく。でも、わしらには、どのみち、そいつをつかまえられやしないじゃないか」
「アカ、おまえのあたまは丘のようにおおきいのに、まるでわかっちゃいない」
「いったい、どんなふうにわかるんだい?!」クマは、腹をたてました。
「おまえさんといっしょなら、フナをわけなくつかまえられる、ってことさ。おまえさんは、湖の水をのむんだ。あたしは、フナをねらうから。底に水がなくなったら、あたしは、それをひっつかんで岸へなげる」
「名案!」クマは、うれしがりました。
そして、湖の水をのみはじめました。一日のみ、二日のみ、三日のみます。湖をぜんぶのんでしまいました。からだがふくらんで、おおきな丘のようです。
キツネは、底にフナをみつけるや、それをひっつかんで岸へなげます。
「でかした、ねえさん! では、えものをわけておくれ」とクマは、いいますが、息もたえだえです。
すると、キツネは、わらいだし、しっぽを一ふりして、フナといっしょにしげみのなかにきえました。クマは、そのペテン師においつきたかったのですが、とんでもありません! 走るどころか、むきをかえることもできません。からだのなかで、湖がまるまる一つ、たぷたぷいっているのですから。
クマが怒りのあまりきゅうにほえはじめると、からだのなかの水が滝のようにながれだし、まわりの木々がめりめり音をたてはじめたほどでした。キツネはといえば、あとかたもなくすがたをけしていました。
湖がじぶんの岸のなかにもどると、ふたたび、そこにフナたちがあらわれました。ただ、フナたちは、かしこくなりました。湖があさくなりはじめるや、すがたをみられないように、すぐ泥水のなかにかくれます。またキツネとクマがいっしょに魚をとることにしたら、たいへんですから・・・ (岡田和也訳)
(トロフィーモフ編「金のトナカイのものがたり」リオチープ、1998、ハバロフスク)
そういえば、先日こんな記事を見つけました。
「アムールトラのふるさと、シホテー・アリーニ山地、その他の自然遺産が、ユネスコの世界遺産に登録された。ユネスコは、シホテー・アリーニ山地は、タイガー(針葉樹林帯)と亜熱帯が共存し、南方系の動物のツキノワグマやアムールトラ、北方のヒグマやオオヤマネコが棲息している点でユニークである、とみなしている」(12月18日付「太平洋の星/Тихоокеанская звезда」紙)
☆中国市場(китайский
рынок/キターイスキイ・ルィーナク)☆
アジアの味が恋しいときに。
バスM(コムソモーリスカヤ広場⇔ゴーリキイ町)またはバスS(中央市場裏手の労働組合会館⇔ノヴォヴィーボルクスカヤ)で、ノヴォヴィーボルクスカヤ/Нововыборгская下車。車なら、カールマルクス通りを空港へ向かいヴィーボルクスカヤ通りへ右折直進した右手。入口左脇の券売所/кассаで入場券を買ってから入ります。長ネギ、ほうれん草、春菊、白菜、ザーサイ、にんにくの芽、さつまいも、昆布、小豆、豆腐、新米(1キロ・13ルーブリ),もち米(1キロ・20ルーブリ)など、つかのまの別世界。品切れはご愛嬌。
「黒米もありましたよ。」
「半キロ入りで20ルーブリ。白米に一握り入れて炊くと、風味よく、赤飯に早変わり。」
「それと休日にいったら、なんと串刺しのリンゴ飴。美味しかった。1本10ルーブリ。」
「辛党にはスルメがおすすめ。1枚15ルーブリ。」
「屋外の物品市場には、国産や輸入ものの外套やブーツ、毛皮の帽子がより取り見取り。すてきなドゥブリョーンカ/дублёнка(なめし皮製半コート)を安く買えましたよ。」
☆暮らしの伝言板☆
◎アパートを探しています。アパートを貸したい方がいらっしゃいましたら、下記まで連絡頂けませ
んでしょうか。よろしくお願い申し上げます。
◎お貸しいたします。 画本・宮澤賢治「銀河鉄道の夜」、「セロ弾きのゴーシュ」(パロル舎)。
絵本・佐野洋子 作・絵「100万回生きたねこ」(講談社)。「20世紀夜明けの沿海州、デルス・
ウザーラの時代と日露のパイオニアたち」(北海道新聞社)。
(このコーナー常設にしたいと思います。掲載ご希望の方は編集係まで)
☆チェーホフ劇☆
◎「ヴァーニャ伯父さん」ドラマ劇場/театр драмы(ジェルジーンスキイ通り44、電話30−47−08、30−68−25)。1月31日、2月1日、14日(開演18時半)。
◎「かもめ」トゥリアーダ劇場/театр триада (レーニン通り27)。周期的に上演。
【放送局だより】国営ラヂオ「ロシヤの声」ハバロフスク放送局日本課(電話:32−45−46)の毎月一回の自主制作番組「シベリヤ銀河ステーション」フリートーク・コーナーでは、友情ゲスト出演してくださる方を募集しております。時間は10〜15分程度。普段着のおしゃべりを楽しむコーナーです。12月には安田幸子さんと山田晃さん、1月には柴山悦子さんがご出演くださいました。また、スタヂオ見学ご希望の方はどうぞご連絡ください。ちなみに、現在当地でよく聞こえている当放送局の周波数は5.930メガヘルツ(3月30日に改定されます)。放送時間は、当地冬時間の毎日22時から24時までです(23時からはモスクヴァ発信)。
【編集後記】なんの編集の経験も才覚もないままにまことにおぼつかない足どりで会報発行へむけ歩みだしましたが、皆様のおかげでようやく創刊にたどりつくことができました。すてきな原稿をお寄せくださった方々、側面から心やさしく支えてくださった方々、貴重な情報をさりげなく提供してくださった方々、ここに改めて感謝申し上げます。雪の結晶をイメージして「六花」と名づけてみました。次号は、恒例のアムール河舟遊びのご案内と併せて春の終わりまでに発行できればと思っております。総領事館、日本センター、商社会、各大学、ソヴェーツカヤ・ガーヴァニの方々からのお便りも首を長くしてお待ちしております。アウトドアライフ(森林浴、釣り、山登り、沢歩き、きのこ狩り、スキーなど)情報、こんな余暇の過ごし方、今どきのロシヤの流行語、料理ひと工夫、とっておきの酒の肴など、ジャンルやテーマを問わず、会員の皆様、どしどし原稿や情報を編集係の岡田までお寄せください。「六花」の編集にご参加くださる方も随時ご連絡ください。どうぞよろしくお願いいたします。eメール:okada@pop.redcom.ru (岡田和也)
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